入門 特殊相対性理論 空間も時間も共にのびちぢみする : 『みるみる理解できる相対性理論』より

以下、佐藤勝彦 監修『みるみる理解できる相対性理論―特殊相対論も一般相対論も実はむずかしくなかった! (ニュートンムック)』P.76-79を参考にさせていただきました。

母船から見て1.3光年先にある惑星から宇宙船が母船に戻ろうとしている。
1光年とは、光が1年で進む距離で、約9兆4600億キロメートル。

宇宙船には1年後に爆発する時限爆弾が積んであった。
しかし、時限爆弾は母船でしか解除できない。

宇宙船は光速の80%で飛ぶことができた。

しかし、1.3光年は光でさえ1年以上かかる距離である。

この場合相対性理論では、母船から見る宇宙船の時間は遅くなり、母船の1秒に対して宇宙船は0.6秒しか時間は経過しない。

宇宙船にとっての1年は、母船にとっての1.67年(1÷0.6)に相当し、宇宙船が光速の80%で1.67年飛べば、到達距離は約1.33光年(1.67×0.8)となり、爆発前に母船に着くことができる。

これを宇宙船側からみてみるとどうなるか。

宇宙船側からみると母船が光速の80%で近づいてくることになる。
宇宙船にとっての1年間に母船が移動する距離は0.8光年で、1.3光年の距離を移動できないように思えるが、 先ほどみたように母船側からみると間に合うのだから、宇宙船側からみても間に合わないとおかしいことになる。

よって、宇宙船側では1年後に爆発する事実は変えられないが母船との距離がちぢむと考えるとつじつまがあう。そしてこれは特殊相対性理論の結論と一致する。

結論

母船にとっての1.3光年の距離(空間)は、光速の80%で飛ぶ宇宙船からすると0.6倍にちぢむことになる。そしてその程度は光速に近づくほど大きくなる。

母船までの距離は宇宙船にとって0.78光年(1.3×0.6=0.78)となり、1年間で母船が近づく距離である0.8光年より短くなる。

mil02026

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